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雨の日、うちの前に小学生が座り込んでいた。うちの隣に住んでる子と同じくらいだったから、友達なんだろう程度に思っていた。夜、タバコを買いに外に出ると、その子はまだそこにいた。その子はある理由で静岡から来たそうで……。

嗚咽
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301: 名無しさん@品詞 2001/01/22(月) 00:46

うちの弟は、売れっ子と言うほどではないのだが、
そこそこ子供たちには有名な雑誌で漫画を描いてる。

こないだの雨の日、うちの前に小学生が座り込んでいた。
うちの隣に住んでる子と同じくらいだったから、友達なんだろう程度に思っていた。
夜、タバコを買いに外に出ると、その子はまだそこにいた。
雨の吹き込むうちのガレージでうずくまっていたその子に話しかけたら
その子は弟の漫画のファンで静岡からサインをもらいに来たのだったが
いざ家の前にきて、緊張で玄関のベルを押せなかったのだ
ビニール袋の中には自分の家の茶畑から、たぶん勝手に持ってきたであろう
静岡名産のお茶が、すっかりしけっていた。

家の中へ入れて濡れた服を脱がすと、その子はシャツの腹の中に
弟の描いた単行本が入れていた。自分がどんなに濡れても
これだけは濡れないようにと彼が大切に抱えていたそれはほのかに暖かかった。
俺はその子に「先生は別のところに住んでるんだけど、おじさんは先生の
兄貴だから、必ずサインをもらって送ってあげる。」
と約束して
その子の親に電話して、東名のインターでおち合うことにして車で送った。
何度も頭を下げるその子の親と、その子と別れ帰ってきたとき
もう深夜になっていたが、弟の住むマンションへ行って事情を話した




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弟は食っていくためにその雑誌で描いてるだけで
子供なんかよりも、コミケに出す本の方が大事な奴で
子供からのファンレター(しかもそう多くないのに)もろくに読んでない。
わが弟ながら嘆かわしい奴なのは知っていたので嫌な予感はしたのだが
案の定、奴は「わざわざ送ったの?警察に保護させればいいのに」とほざきやがった
女の子が歌ってるアニメの主題歌らしき曲の流れる弟の仕事部屋で
そんなセリフは大御所になってからほざきやがれ!と俺は弟をぶん殴った。

てめえの単行本なんか本屋の隅っこにたまーに見かける程度のくせに
そんな漫画をわざわざ買って、胸躍らせた坊主が大冒険の果てに
たどり着いた目的地で、どんな想いで雨に打たれてたと思ってるんだ
俺は泣きながら弟をぶん殴った。

単行本でなく、新品のスケッチブックにカットとサインを書かせ
まるごとその子に送った。
クズでヲタな弟だが、せめてその子にとって尊敬する先生のスケッチブックを。


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7010 名前: :2017/09/09(土) 13:26:43
昔、梶原一騎が原作書いていた漫画で、有名作品書いてる作家が凄く俗物で、熱狂的なファンが知ったら唾棄するしかないという実像であるという話を書いていた。
幻滅するしかない実像を知った主人公の少年は戸惑うわけだが、母親がそれを知って諭すんだわ。
「酷い作家だが、貴方が感動したように、宝石のような才能や情熱は持ってる。作家先生のすべてを否定することはない」とな。
この話を今に至るも忘れらない。例えとしても、いろんな解釈が出来るような気がする。
7011 名前: :2017/09/09(土) 22:20:02
いや勝手に来られたら迷惑なだけだろあほか
7012 名前: :2017/09/10(日) 07:33:14
↑大丈夫だ、お前のとこには誰一人来ないから。
8145 名前: :2018/02/15(木) 16:16:57
ビニール袋の中には自分の家の茶畑から、たぶん勝手に持ってきたであろう
静岡名産のお茶が、すっかりしけっていた

茶畑から持ってきたなら、生の葉っぱだと思うんだが。
生の茶葉をもらってもどうしろと。いや天ぷらにすればいいか。
10411 名前: :2019/05/25(土) 09:52:52
>>7010
まぁ、梶原一騎自体がアレな人だったもんなぁ
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